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彷徨えるPTEG(経皮経食道胃管挿入術)

 平成17年12月5日月曜日、突然、何の前触れもなく、唐突に、晴天の霹靂とはかくあるものか、って感じでPTEGが保険適応を外されました。理由については生産者である住友ベークライト社の担当者が説明に来てくれました。しかしその内容としては、厚生労働省の認可承認絡みの問題で、またも、現場の患者さんは二の次、もしくは「眼中にない」状態です。
 「胃瘻としての手段としては保険適応は残っているが、食道を刺す事は認可されていない」状態なので、結局、現時点でPTEGの施行、造設はできなくなっています。
 「自費で造設できないか」と言うお問い合わせを頂きましたが、これは「混合診療」になってしまいます。また、「普通の胃瘻造設として行えないか」と言う声もありますが、これは正確には保険の不正使用にあたってしまいます。「八方塞がり」、これが現在のPTEGを取り巻く状況になってしまいました。

 昭和20年代後半から、50年代前半まで、消化性潰瘍の治療において、「広範囲胃切除術」がその選択肢の大きな一つであった時代があります。その時代に10代後半から30代後半くらいだった多くの方が、潰瘍の治療の為に胃切除を受けられています。そして、それらの方達が今まさに、「脳卒中世代」になって来た所での、いきなりのPTEG保険適応除外でした。
 申請時に食道を刺す事が記載されていなったのは分かります。「PTEG」と書かれていたけど「経皮経食道胃管挿入術」と書かれていなかったのも分かりました。でも、今まで約8年に渡り、胃切除患者さんを始め、食道裂孔ヘルニア症例等でもその効果を存分に発揮して来た、そしてそれがもう既に、多くの医療従事者に認められています。また、その認知度は日本国内に留まらず、広く世界中で認識されている事は周知の事実ではないですか。なぜ、日本発のこの優れた手技を、日本政府が使用できない状況に追いやるのでしょうか?鼻から管を入れられた、苦しそうな患者さんを目の前にしている我々には、どうやっても理解できない状況です。

 妥協案として、今までに造設実績のある施設には、今まで通り造設を認め、きっちりしたデータをとり、政府が世界に向けて「こんなに素晴しい日本発の手技ですよ」と言うのはどうでしょう?そうすれば、データも集積し、患者さんも困らず、厚生労働省の世界に対するアピールにもつながると思うのです。

 正式な承認認可を待つと、最短でも1年以上かかる、と言う見通しだそうですが、その間、「PTEG」の有効性を知ってしまっている我々造設医は、患者さんを前にして一体どうしたらいいのでしょうか?


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